長時間労働是正のため裁量労働制導入は、賛否別れるところですが・・・

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2017/10/14、トヨタ自動車労働組合はこの日開催された定期大会において、会社側提案の「裁量労働制」案を承認しました。

これは入社10年前後の係長級が対象で、毎月残業45時間分の手当17万円を固定で支給し、45時間を越えた分も12月から支給するというものです。

トヨタはすでに一部で導入済みですが、今回更に7800人が対象となっています。

トヨタ自動車以外にも、NEC・日立製作所・日本電信電話株式会社などの企業が採用しています。

裁量労働制は、勤務時間に関係なく、事前に決められた時間を働いたとみなして給与を払う仕組みで、残業代削減の制度として用いられることが多くなっています。

例えば「みなし労働時間」を8時間とした場合、9時間労働しても労働時間は8時間とみなされ、1時間分の残業代は支給されませんが、労働時間が7時間であっても1時間分減額されることはありません。

この制度のメリットは、仕事を遂行するための時間や方法を自分の裁量で自由にコントロール出来ることです。

定時という考え方は存在しないので、成果を上げることで働く時間は自由で縛られる事はありません。

デメリッットとしては、労働時間を事前に決めているので、その時間を超えて働いても残業代は支給されません。

もし、みなし労働時間内で成果を上げられない事項が求められている場合は、このデメリットの部分だけが大きくなってしまいます。

長時間働いても「事前に決めた時間だけ働いた」とみなされ、時間外労働手当が付かない制度なので、「過労」の問題も議論されています。

「成果を上げる・・・」というプレッシャーが課せられ、その状況下で自分の裁量で働くことは時として肉体的・精神的にプレッシャーとなり危険な部分も含んでいます。

転職した企業がこの制度を採用しているなら、「みなし労働時間」はどれくらいで課せられる仕事・求められる成果はどの程度なのかは事前に確認するべき重要事項です。

労働者側にしてみれば、「裁量労働制」は不利益となる場合も存在するので、企業は無制限に適用することはできません。

裁量労働制は労働基準法38条3に規定される「専門業務型」と38条4に規定される「企画業務型」2種類があります。

「専門業務型」は労使協定の締結と届け出が必要です。

「企画業務型」は様々な条件が必要で、事業運営上の重要な決定がされる本社・本店・本部などで働いている必要があったり、労使委員会の設置とその決議が必要とされます。

裁量労働制は、「上司の指示を受けること無く仕事を すすめられ成果を上げることで勤務時間は自由・・・」という認識の人は多いと思いますが、現実には、定時出社を求められ当初の趣旨と違う事案が横行しているようです。

労働政策研究・研修機構の調査で、裁量労働制のもとで働く3900人の回答によると、「一律の出退勤時刻有り」44%、「決められた時間内は自由」14%、「出勤するしないは自由」2%でした。

裁量労働制では 定時も遅刻もないはずですが、実際には遅れて出社の場合、「上司より口頭注意」43%、「勤務評定に反映」24%、「賃金カット」11%、「場合によっては懲戒処分」5%との回答でした。

また、1ヶ月の実労働時間200時間以上250時間未満の割合は、企画業務型38.6%、専門業務型40.9%で一般の労働時間制26.5%上回っています。

「個々で職務を果たし成果を上げることで退社時間は自由」というのが裁量労働制のはずですが、現実は大きく違っていて、出社時間など細かく指示され見込み残業以上の残業が有り、残業代が発生しないことが 判っているので、無理な仕事をやらされるなどの裁量労働制の悪用が多いようです。

それぞれの業界においては、「競争」「ノルマ」があり名目上の残業と実際の残業は大きく違っています。

例えば、商社の社員が海外との取引となると、日本の終業時間が先方の始業時間となり、打ち合わせは当然深夜となります。

しかし、翌朝は出社です。そのため必然的に 長時間労働になってしまいます。

「電通」「NHK」などの「過労死」裁判以降、会社側も終業時間報告などに敏感になっていて、残業時間が長い社員は出張に行かせています。

???と思われますが、これは 実は「裏技」で、「出張中は残業時間がつかないので労働時間の抑制が可能」となっています。

しかし、現実はなかなか厳しく映画制作会社の㈱東北新社口コミで一部の社員は、

 会社で働く派遣社員は裁量労働制で長時間労働が常態化していて、時給換算でコンビニのバイト以下 

投稿しています。

日本ではこの裁量労働制を採用している企業はまだまだ少なく、 安倍政権で 「長時間労働の是正・・・」でこの「名ばかりの裁量労働制・・・」が一層推進されることになるかもしれません。

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