「同一労働同一賃金」は 日本で導入されるのでしょうか?

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長時間労働が 問題視される中で「裁量労働制」「同一労働同一賃金」など働き方改革がいろいろと論議がされています。

非正規雇用が多い中で「同一労働同一賃金」は 導入されるのでしょうか?

同一労働同一賃金とは、「性別や雇用形態に関係なく同一の労働をしているのであれば、同一の賃金を支払うという考え方」という意味です。

以前は「非正規雇用は、雇用の調整弁にすぎない・・・」との認識が強く同一賃金では企業が存続できないという考えが大半でした。

非正規労働者にとっては「それは侮辱で問題発言では・・・」という気がします。

非正規雇用の大半は主婦・パートで占められ、時給は安くても生活には問題はないとされていたからです。

しかし近年では、非正規雇用の10%世帯主・単身者で、非正規雇用で家計を支える人が増加して 社会的格差も大きくなってきています。

政府が「同一労働同一賃金の実現・・・」と強調するのは、社会的経済的格差解消だけではなくて、賃金が上がることで消費が増加し経済を活性化したい狙いがあるからです。

日本において、非正規雇用の賃金は正規雇用の60%弱ですが、ヨーロッパ各国では80%~90%です。

これは、1997年EUがパートタイム労働指令として「同一労働同一賃金」を定めたからです。

日本もこれに習ってヨーロッパ並みの80%の水準にしたいという考えです。

しかし、ヨーロッパに習うとしても、そもそも日本と諸外国では雇用形態が違っているので、多くの専門家は実現は難しいとしています。

手本とするヨーロッパやアメリカはジョブ型雇用で、日本はメンバーシップ型雇用です。

ジョブ型雇用というのは、多くの諸外国が採用している雇用契約で、本人の専門スキルを活かして職務・勤務場所を絞り込むことが出来る限定正社員・有期契約労働者です。

企業においては、専門分野に優秀な労働者を確保できます。

労働者は、職務の提示ができるので職務記述書の内容・条件 以外の義務はなく、仕事と生活のバランスが取りやすくなります。

企業は、職務記述書の内容・条件を一方的に変更することはできませんが、企業の状況により依頼した業務がなくなっても 配転を行う必要は発生しません。

このため労働者は、職務・勤務場所が定められているため景気などの状況によっては、失業のリスクがあります。

日本企業の多くの雇用形態はメンバーシップ型雇用です。

これは、年功序列・終身雇用を前提とし、職務・勤務地を限定しない無限定正社員です。

メンバーシップ型雇用は、新卒一括採用で人材を獲得し職務に必要とされる知識・経験を、社内研修・OJTなどで教育します。

OJTとは、on  the  job  training の略で、実務を通じ上司から部下、ベテラン社員から若手社員へと知識・スキルを伝承していくことを指します。

この雇用形態は、上場大企業に多く総合職には多い形態です。

職務・勤務地が限定されず、配置転換は企業の都合で自由に行われます。

一部ではこの雇用方法が長時間労働による過労死を招き、正規労働者(正社員)と非正規労働者(契約社員・派遣社員)の待遇格差になっているとされています。

ジョブ型雇用では、 仕事において職務・ポジション・労働時間・勤務場所など明確に決まっています。

企業は職務記述書の内容以外の仕事依頼はできず、労働者も行う義務はありません。

メンバーシップ型雇用では、職務範囲が明確に定まっていないため、必要であれば業務を遂行し残業も行います。

報酬は、ジョブ型雇用では個々の担当の業務内容評価による職務給で、あくまで能力に対しての支給です。

メンバーシップ型雇用は、勤続期間を考慮した職能給年功序列を基本としています。

採用方法は、欠員が出たポジションに適切な求職者を採用するのがジョブ型雇用で、メンバーシップ型雇用は、具体的能力よりコミュニケーションなどの潜在能力を重視した採用です。

ジョブ型雇用は、職務・勤務地が明確に定められているため異動・転籍はありませんが、企業の業績悪化・職務不要となれば契約解除(解雇)が一般的です。

メンバーシップ型雇用は、職務・勤務地が明確に定められていないため、会社の方針に従う必要があります。

また労働法によって、企業側は明確な理由がない限り一方的解雇はできません。

教育に関しては、ジョブ型雇用は求職者の能力で雇用するため、企業側は教育の義務はありませんが、メンバーシップ型雇用では、企業が社内教育を行うのが一般的です。

ジョブ型雇用のメリッットは、企業側としては欠員が出た場合、そのポジションに相応しい人材を確保できます。

また、職務範囲・職務場所限定のため会社都合で契約終了がしやすい傾向にあります。

労働時間においても定められているので、人件費を抑制できます。

デメリットとしては、雇用契約前に職務・勤務場所を明確に定めるため会社都合による転籍・異動ができません。

職務記述書記載以外の仕事は契約範囲外であり、履行してもらうためには、労働者に説明・理由を提示する必要があります。

労働者側としてメリットは、雇用契約前に職務が明確にでき職務記述書記載以外の仕事を履行する必要はありません。

給与面も能力に応じた待遇が得られます。

デメリットは、会社側の都合で契約解除となる場合があります。能力向上のための教育・研修は、基本的に社外で行うことになります。

メンバーシップ型雇用のメリットは、労働者は職務範囲・労働時間・勤務地が限定されていないため、会社都合により異動・転籍など配置転換を行うことができ、業界の動向において経営資源(ヒト・モノ・カネ)を選択・集中できます。

労働者側は会社の辞令に従い、不祥事を起こさない限り雇用関係は守られます。

年功序列型賃金のため勤続年数で給与が決まり、OJT・社内研修などで教育が受けられます。

デメリットとしては、労働者は労働法によって保護されているので、企業側は客観的・合理的理由がない限り解雇はできません。

急速に進む少子高齢化によって労働人口が減少し、日本型雇用システムから能力重視のジョブ型雇用が注目され始めています。

労使双方にそれぞれメリット・デメリットはありますが、能力次第で若者・女性・高齢者も労働参加でき、仕事・プライベートの両立が可能だからです。

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