「日本は今、好景気??」なのでしょうか?

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日本の完全失業率は、2017年11月に2.7%で1993年以来の低水準となり、有効求人倍率も1974年1月以来の1.56倍となり、新規求人倍率も過去最高の2.37倍となりました。

この数字から総務省は「雇用情勢は改善されている」判断しています。

失業率は3%を下回り求人倍率も高水準でバブル期も上回っています。

TV・新聞・経済統計データーなど、中には情報操作・世論操作も多分にありますが「景気が良くなっている」という記事が多く目につきます。

2012年12月から 景気拡大が継続していて、その長さはバブル経済期を越え戦後3番目となり、国内総生産(GDP)の2017年1~3月期は1.0%増で5四半期連続のプラス成長となっています。

そして小売・飲食・物流・建設業で人手不足となっています。

最近の円安と中国経済の好況もあって自動車関連業界においては最高益を計上し、また多くの企業も相次いで過去最高益を計上しています。

好景気が本物でGDPの「生産」「需要」「所得」が拡大することで失業率が 減少しているのであれば、実質賃金は必然的に上昇します。

しかし、日々の生活の中で実感は殆どありません。

雇用は改善されているにも関わらず生産性が 減少しているため、実質賃金は 現実には落ち込んでいるのが原因です。

雇用が改善されているのは、理由があります。

引用:google

一つは、急激に進む少子高齢化による生産年齢人口の比率低下です。

2025年、団塊世代と呼ばれる人口分布の最も多い世代が、高齢者となり労働市場から退出となるわけですが、それを埋めるだけの若い世代の生産者は入ってこないため、当然失業率は下がります。

団塊世代より人口分布の多い世代は無いわけですから、わかりやすい計算です。

二つ目が、「フルタイム労働者」の退職を企業が「短時間労働者」のパートタイム・アルバイトで、埋めようする雇用傾向です。

フルタイム労働者を短時間労働者で埋めるわけですから、 必然的に就業者数は増加し失業率は 減少します。

少子高齢化がすすみ、日本の全人口の約50%は60歳以上の高齢者が占め、年金生活者が増加しています。

しかも、この年金は年々減額されています。

人口の約半分が年金生活者で、所得税が 上昇し年金が減額されれば、生活のため消費を 抑えなければならない人口も半分存在することになります。

最近では、中小企業社員の雇用数の半分が非正規社員で占められ、賃金は増加せず社会保障費は増加する一方で、実質の手取り収入は減少しています。

一部ではアルバイトの賃金は増加しているようですが、非正規の契約社員よりも低いレベルです。

この状況では、消費は伸びず、物価が上昇しないために生産性は下がります。

「失業率は3%を下回り求人倍率も高水準でバブル期も上回っていて、雇用情勢は改善され景気が良くなっています」などと情報操作・世論操作を含めて繰り返し報道されても、基本的に前年より所得が増加したり、消費に使えるお金が増加したという実感がない限り景況感はありません。

好景気の長さばかりが強調されても、所得が増加しなければ好景気と判断しないのが普通の感覚です。

急激に進む少子高齢化による生産年齢人口の比率低下で人手不足が懸念されていますが、東京商工リサーチの調査では、リストラ ・希望早期退職者募集を実施した企業は急増しています。

ニコンは希望退職者を1000人募り、医薬品大手スズケンは350人、業種では製造業が多く、サンケン電気120人・ウシオ電機100人・日本アンテナ60人など、小売業では、コンビニのスリーエフ180人・百貨店の三越伊勢丹800~1200人などとなっています。

景気拡大が続いているとされる中、業績悪化の企業は人員削減にふみきり、その 一方では人員不足が叫ばれている状況です。

メガバンクの、みずほFG・三井住友FG・三菱UFJFGも例外ではなく、3メガ合計30000人の削減が計画されています。

近い将来、銀行の事務作業は、情報システム・AI(人口知能)に置き換えられると考えられてることも一因です。

技術革新において多くの職業が消滅すると予測され、その影響もあって事務的職業の有効求人倍率は異様に低い数字となっています。

日本の雇用は、人手不足と人余りの二極化が顕著になってきています。

一見相反するようにも思えますが、それは日本が年功序列制社会でメンバーシップ型雇用であり、諸外国に多くみられる同一労働同一賃金のジョブ型雇用ではないためです。

このことが、企業にとって必用なスキルとモチベーションを備えた人材の不足となっています。

メンバーシップ型雇用は、新卒一括採用で人材を獲得し職務に必要とされる知識・経験を、社内研修・OJTなどで教育します。

OJTとは、on  the  job  training の略で、実務を通じ上司から部下、ベテラン社員から若手社員へと知識・スキルを伝承していくことを指します。

この雇用形態は、上場大企業に多く総合職には多い形態です。

職務・勤務地が限定されず、配置転換は企業の都合で自由に行われます。

一部ではこの雇用方法が長時間労働による過労死を招き、正規労働者(正社員)と非正規労働者(契約社員・派遣社員)の待遇格差になっているとされています。

ジョブ型雇用では、 仕事において職務・ポジション・労働時間・勤務場所など明確に決まっています。

企業は職務記述書の内容以外の仕事依頼はできず、労働者も行う義務はありません。

メンバーシップ型雇用では、職務範囲が明確に定まっていないため、必要であれば業務を遂行し残業も行います。

報酬は、ジョブ型雇用では個々の担当の業務内容評価による職務給で、あくまで能力に対しての支給です。

メンバーシップ型雇用は、勤続期間を考慮した職能給で年功序列を基本としています。

採用方法は、欠員が出たポジションに適切な求職者を採用するのがジョブ型雇用で、メンバーシップ型雇用は、具体的能力よりコミュニケーションなどの潜在能力を重視した採用です。

ジョブ型雇用は、職務・勤務地が明確に定められているため異動・転籍はありませんが、企業の業績悪化・職務不要となれば契約解除(解雇)が一般的です。

メンバーシップ型雇用は、職務・勤務地が明確に定められていないため、会社の方針に従う必要があります。また労働法によって、企業側は明確な理由がない限り一方的解雇はできません。

教育に関しては、ジョブ型雇用は求職者の能力で雇用するため、企業側は教育の義務はありませんが、メンバーシップ型雇用では、企業が社内教育を行うのが一般的です。

ジョブ型雇用のメリッットは、企業側としては欠員が出た場合、そのポジションに相応しい人材を確保できます。

また、職務範囲・職務場所限定のため会社都合で契約終了がしやすい傾向にあります。

労働時間においても定められているので、人件費を抑制できます。

デメリットとしては、雇用契約前に職務・勤務場所を明確に定めるため会社都合による転籍・異動ができません。職務記述書記載以外の仕事は契約範囲外であり、履行してもらうためには、労働者に説明・理由を提示する必要があります。

労働者側としてメリットは、雇用契約前に職務が明確にでき職務記述書記載以外の仕事を履行する必要はありません。

給与面も能力に応じた待遇が得られます。

デメリットは、会社側の都合で契約解除となる場合があります。

能力向上のための教育・研修は、基本的に社外で行うことになります。

メンバーシップ型雇用のメリットは、労働者は職務範囲・労働時間・勤務地が限定されていないため、会社都合により異動・転籍など配置転換を行うことができ、業界の動向において経営資源(ヒト・モノ・カネ)を選択・集中できます。

労働者側は会社の辞令に従い、不祥事を起こさない限り雇用関係は守られます。

年功序列型賃金のため勤続年数で給与が決まり、OJT・社内研修などで教育が受けられます。

デメリットとしては、労働者は労働法によって保護されているので、企業側は客観的・合理的理由がない限り解雇はできません。

急速に進む少子高齢化によって労働人口が減少し、日本型雇用システムから能力重視のジョブ型雇用が注目され始めています。

労使双方にメリット・デメリットはありますが、能力次第で若者・女性・高齢者も労働参加でき、仕事・プライベートの両立が可能だからです。

コストダウンのため、正社員をパートタイマー・アルバイトなど非正規雇用の安い労働力で補う経営方針では、定型的な仕事を低賃金でこなす労働力は確保出来ても、重要な部門を 任せられる人材が不足し、仕事の拡大とともに非正規雇用社員が出来ない仕事を正規社員が 処理する事態が常態化し、それが長時間労働を招く 悪循環になります。

この人手不足と人余りが共存する労働状況において、人 余りの分野では労働生産性は低くなっているので、人手不足の分野に多くの人が動くことで全体の労働生産性は向上し、やがて賃金の上昇に繋がると考えられています。

労働人口の 移動がスムーズに進まないことが、人手不足と人余りが共存する労働状況を作っています。

労働人口の 移動をスムーズに進めるために、政府の「働き方改革」の実行は必要で、また転職のための情報提供・技能訓練の支援も必要です。

そして大幅な賃上げです。

人手不足の業界は高い賃金を払わなければ人材確保はできず、賃金が大幅に上がれば人余りで生産性の低い企業は生き残れません。

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