「奨学金制度」を利用して進学される方は多いと思いますが・・・

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「奨学金制度」と聞くと学生のための優しいイメージがあって、この制度を利用して進学される方も多いと思います。

奨学金は、「未来への投資」という意味で必要な借金ですが、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の発表によると、直近5年間で奨学金の返済ができず「自己破産」した人が1万5338人となることがわかりました

独立行政法人日本学生支援機構とは・・・

独立行政法人日本学生支援機構とは、2004年日本育英会・財団法人日本国際教育協会・財団法人内外学生センター・ 財団法人国際学友会・財団法人関西国際学友会合併し設立されました。

学生に対して貸与奨学金事業・留学支援・外国人留学生就学支援などを行っています。

理事長は日本銀行出身の遠藤勝裕氏、主務大臣は文部科学大臣、主務省所管課は文部科学省高等教育曲学生・留学生課で れっきとした役所です。

独立行政法人の名の通り省庁から独立した法人組織で、「行政の一端を担い 公共の立場から事務・国の事業を実施し国民の生活安定・社会、経済の健全な発展に役立つ者」と規定されています。

しかし、奨学金に絡む自己破産者は急増しています。

自己破産者1万5338人の内訳は、本人が8108人、保証人が7230人となっています。

2016 年の自己破産者は過去最高の3451人に達しました。

表現は 悪いですが、自己破産はある意味で社会の負け組です。

奨学金の内訳は・・・

奨学金制度は、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業で、大学進学のため無担保で借りることが可能で、返済期間は15年または20年以内となっています。

奨学金制度は、将来返済が必要な「返還型奨学金制度」返済の必要のない「給付型奨学金制度」に分類されます。

給付型奨学金制度は始まったばかりの新制度で、住民税非課税世帯(市町村民税所得割額が0円)・生活保護受給世帯の人に募集対象者は限定されます。

奨学金給付月額は、国公立大学2万円~3万円、私立大学3万円~4万円となっています。

奨学金制度の多くは返還型奨学金制度で、さらに「無利子奨学金制度」・「有利子奨学金制度」に分類されます。

奨学金給付月額をもう少し詳しく見ると、

・無利子奨学金・国公立大学・自宅通学の場合・・・月額3万円または4万5000円

・自宅外通学の場合・・・月額3万円または5万1000円、無利子奨学金・私立大学・自宅通学の場合・・・月額3万円または5万4000円

・自宅外通学の場合・・・月額3万円または6万4000円です。

有利子奨学金・大学・・・月額3万円・5万円・8万円・10万円・12万円です。

さらに、私立大学医学・歯学課程の場合、20万円~40万円増額が可能となっています。

有利子奨学金・大学の場合、借り入れが毎月12万円と仮定すると4年間で576万円となり、この金額に利息がつくわけです。

返還は定額変換方式所得連動変換方式があります。

奨学金自己破産増加の原因は・・・

奨学金自己破産増加の原因は大学の学費高騰によるもので、授業料高騰の原因は国立大学が国立大学法人となり、授業料の大幅な値上を行なったためです。

国立大学の初年度に必要となる費用は1975年に8万6000円だったものが2016年には81万7800円約73万円も高騰し、私立大学では27万8261円から113万1196円約83万円と高騰しています。

授業料は国立大学で2017年時点で年間約53 万円必要で、これは過去40年間で約15倍高騰しています。私立大学ではさらに高騰しています。

この状況は、入学金も含めて4年間の支払いが家計を圧迫し大きな負担となり、その結果奨学金に頼る学生が急増しています。

奨学金の受給者は20年前は約46万人でしたが、現在は3倍近く増加し約130万人、貸与額総額約1兆円となっています。

学生2人に1人が 何らかの形で奨学金を受給している状況で、ここに就職難・ブラック 企業問題が重なり自己破産者急増に拍車をかけています。

一般の生涯平均年収は、高卒2億4000万円、大卒は2億8000万円と言われ、高卒が4年長く働くにも関わらず4000万円の差がついてしまいます。

日本の労働者の約3人に1人が 非正規雇用で「MARCH(明治・青学・立教・中央・法政)卒業者」であっても、非正規労働者が多数存在する時代です。

正社員というだけで過重労働・超低賃金のブラック企業は多く、体調を崩して休職・退職となると奨学金返済は大変難しくなります。

「奨学金破産とは奨学金が払えず自己破産する」ということですが、自己破産は借金問題を法的に解決する債務手続きの中でも「最後の手段」です。

借金支払い義務は免除となりますが、デメリットとして車・家など原則20万円以上の財産は処分され、手続き後10年間はクレジットカード・各種ローンは組めません。

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表向きは「奨学金制度」という名の「金融ビジネス」・・・

過去5年間で日本学生支援機構から奨学金を借りた本人に、返済を促すように裁判所に申し立てられた件数は約4万5000件となっています。

奨学金破産となる人の殆どは、非正規雇用であったり正社員でも低い給料の人です。

奨学金の返済予定日を過ぎた場合「5%」の延滞金が 賦課され、その結果延滞金が膨らみ元金を上回る場合もあります。

延滞3ヶ月となると、個人信用情報機関へ事故情報が登録され、クレジットカード・新規のローンはNGとなり、登録された情報は奨学金を完済するまでの期間プラス5年経過するまで消えることはありません。

いわゆる「ブラックリスト入り」となります。

延滞4ヶ月となると、債権回収会社が催促を開始します。

債権回収会社とは、金融機関から委託された借金・奨学金回収をおこなう債権回収専門会社で、自宅訪問・会社に電話といったまるでサラ金のごとく催促をします。

延滞9ヶ月となると、法的処置が取られ裁判所より「貸与金・利子・延滞金の一括返金」を求められます。

裁判所を利用した「支払い催促」が公然と行われ、2006年1181件から2014年8495件と飛躍的に増加しています。

日本学生支援機構においては、 奨学金は「金融事業」の位置づけで回収がどんどん強化され、「学生支援」というポリシーはすでに過去のもので現在は「金融ビジネス」として成り立っています。

延滞者に対して日本学生支援機構の対応は、サラ金業者そのもので学生支援とは程遠いものです。

奨学金返済という負の連鎖・・・

TV番組「クローズアップ現代+」「60代男性が息子の850万円の奨学金を背負う・・・」というケースが 紹介されました。

息子さんは奨学金を受給し大学院卒業となりましたが、卒業後非正規のカウンセラーで就職となり収入が少ないため奨学金の返済が難しく、自己破産をして免除の手続きを取りました。

奨学金の返済義務は連帯保証人の父親に移行しましたが、父親は老後のための中古マンションを買ったばかりで返済は難しく、自己破産ではなく「民事再生」で債務整理をすることになりました。

民事再生とは住宅ローンを除いて借金を大幅減額し、3年~5年かけて完済計画を立てる手続きで、デメリットとして信用情報への登録がありますが、これによって850万円から200万円に減額されました。

しかし減額分の600万円は、無効になるわけではなく同じく連帯保証人の母親に移行します。母親は父親と別れてひとり暮らしですが、600万円はとても払える金額では無く自己破産するしかありません。

連帯保証人が自己破産の場合、おじ・おばなどの保障人にさらに返済義務が移行します。

これが「奨学金破産の連鎖」です。

次から次へ 返済義務が移行し負の連鎖が止まりません。

保証人が自己破産した場合、「法的請求相手がいない」扱いになりそこでやっと連鎖は止まります。

何故「奨学金返済で自己破産・・・」が増えているのか・・・

延滞率は平均1.4%、3ヶ月以上延滞しているのは約17 万人100人に1人の割合になっています。

そもそも発端は国立大学が国立大学法人となって、授業料の大幅値上が行われたからです。

2018年度日本の大企業は各企業とも史上最高の利益を計上するようですが、その中身は「売上微増で費用を圧縮し利益としたもの」がほとんどで人権費、つまり給与は横這い状態です。

「大企業が費用を圧縮・・・」ということは、下請け企業は材料費の圧縮に直結します。

大企業の社員給与が 微増か横這いであれば、下請け企業はの社員給与は良くて横這いで非正規雇用・アルバイトは当然給与は削られ下がります。

非正規雇用は3人に1人で低賃金 ・不安定雇用が 続き、親世代が苦しい中奨学生の生活が楽なわけはありません。

大学生の学生生活のため各家庭からの支出は2000年年度156万円から2012年度121万円に落ち込んでいます。

この状況で「大学に進学・・・」となれば当然「奨学金頼り・・・」となるのが普通の流れで、大学生の40%は日本学生支援機構の奨学金を借りています。

返済困難のリスクは年々大きくなり、返済滞納3ヶ月以上は2016年度には約16万人となり、その約80%が年収300万円以下の低所得者です。

せっかくの「大学卒」で社会人になっても・・・

奨学金制度で大学を卒業して社会人になっても、低賃金のため食べていくだけで大変な状況で「奨学金を返済する余裕・・・」はありません。

返済遅延ともなると「奨学金返済」・「ブラックリストに登録」と二重の足かせが課せられます。

さらに、回収強化のため「繰上げ一括請求」が実行され、さらに奨学生を追い詰めています。

「繰上げ一括請求」とは、一定期間返済が滞ることで、返済期間が来ていない将来の割賦金を含む元利合計を 一括請求するというものです。

(※割賦金(わっぷきん)は分割して払う金額です。)

月々の返済さえ難しい状況で繰上げ一括請求されても、返済が無理は状況は変わりません。

日本学生支援機構によれば、「変換能力がある人が返還を著しく怠った時・・・」行うとしていますが、現実は 返還能力の有無に関係なく無確認で実行されています。

このような回収強化索が奨学生を追い詰め自己破産者を増加させていて、役所と言いながらサラ金そのものです。

返済方法の軽減・・・

日本学生支援機構から奨学金を借りている場合で、返済が困難な場合所定の書類を提出・審査通過となれば
①1回の返済額を半額にすると同時に返還期間も2倍にできる「減額返還」
②1回の願出で返還期限猶予を1年以内(通算10年が限度)に延長できる「返還期間猶予」

「在学猶予」
④死亡・就労不能などによる「 返還免除」などの処置を受けることも可能としています。

日本学生支援機構(JASSO)奨学金返還相談センター 
TEL0570-666-301(平日8:30~20:00受け付け・ナビダイヤル
日本学生支援機構のホームページで各大学の延滞率が確認できます。

引用:日本学生支援機

奨学金は、将来の仕事・収入が不明な状態で貸付されるものであるため、一般のカードローンより貸し倒れリスクは高いです。

厳しい言い方をすれば、ある程度の滞納の危険性は予測可能で、その場合の「救済制度」は必要です。

現行制度には、年収300万円以下で経済的に困難な状況にある人は「返還期限猶予」という制度がありますが、10年限定となっていて不十分です。

また延滞がある場合は、元金+延滞金全てを支払わなければ 救済制度の利用は 制限されます。

日本学生支援機構が 行っている回収強化策はサラ金業者と何も変わらなくて、奨学生を自己破産に追い詰めるだけです。

大木高仁氏(文部科学省出身)、大谷圭介氏(文部科学省出身)、米川英樹氏(国立大学法人大阪教育大学出身)、吉田真氏(日本学生支援機構出身)など天下りで日本学生支援機構の役員となられた方々が、お役所仕事一辺倒ではなく本来の「学生のための支援・・・」という大前提に戻り回収制度の見直しを図ってほしいと思います。

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