企業はなぜ高い時給を払ってまでも、派遣社員を採用するのでしょうか?

SNSフォローボタン

フォローする

派遣社員という働き方・・・

最近はどの企業も少子高齢化による人手不足の影響が大きく、働く人は高齢者や女性も含めて増大する一方です。

働き方として、正社員・派遣社員・アルバイト・パートなどいくつかの種類がありますが、雇用者の多くはパート・アルバイトなどの非正規雇用者が、雇用全体の37%を 占めています。

そんな中で働き方の一つに「派遣社員で・・・」という働き方があります。

ご存知の方も多いかと思いますが、「派遣社員で働く・・・」ことは「アルバイト・パートなど直接雇用で働く・・・」ことに比較して明らかに時給が違っています。

業種によっても 違いますが、500円/時間 ほど差がある場合もあります。

派遣社員は直接雇用と違って交通費などが出ない場合が多く、そのため交通費・ボーナス分が時給に含まれるため金額が高くなっています。

派遣社員の時給の差・・・

一般的に男性派遣社員の時給は、企業側から支払われる金額から約30%差し引いたものが支払われます。

例えば受け入れ企業側が1800円支払った場合、派遣社員には約30%差し引いた1300円が支払われ、30%の中で雇用保険・社会保険・有給休暇など必要経費が差し引かれた金額が、派遣会社の利益となります。

しかし、派遣社員の時給に500円上乗せして支払うことは、8時間・週5日・月20日勤務として年間約96万円多く支払うことになります。

派遣社員1人につき96万円ですから結構な金額です。

コスト削減の意味からも、年間96万円多く払うことにメリットはあるのでしょうか?

正社員に必要な経費・・・

男性派遣社員の時給1300円の場合、受入企業は1800円~2000円の時給を派遣会社に支払うのが一般的です。

数字で見ると、ここで1800円とした場合、支払われる金額は、

8時間/日×20日/月で28万8000円となります。

高卒男子初任給が16万円の場合、派遣社員のコストは正社員の実に1.8倍となります。

この数字だけを見ると「コストかかり過ぎ・・・」と思われるでしょうが、続きがあります。

正社員には、給料以外に社会保険料・雇用保険料・労災保険料(約15%)・交通費(仮に1万円)・ボーナス(仮に4ヶ月分として月0.33ヶ月分)の経費が必要で、これらを足すと25万4720円となり若干の差が生じる場合もありますが、その差は3万3280円です。

さらに正社員には教育費用・有給休暇・福利厚生費・退職金積立も必要で、給与振込・地方税支払い・保険組合支払いなど、社員数10人あたり2人程度の人事・総務・経理などの社員も必要となります。

これらを踏まえても、仮に時給1800円であったとしても新卒社員に必要なコストと、ほとんど差はありません。

しかし派遣に切り替えると、厚生年金・健康保険は派遣会社負担となり、企業は派遣会社との契約・月額派遣料金支払いとなり、コストは大幅に軽減できるわけです。

さらに、新卒採用ではなく中途採用する場合募集費用は高額で、例えば新聞に5cm 程度の広告で100万円単位、採用紹介会社なら年収の30%が必要で、統計では新卒採用・中途採用の1人 当たりの 求人広告コストは、約45万円必要となります。

企業が派遣社員を雇用することのメリット・・・

社員を雇用するのも大変ですが、解雇するのも簡単ではありません。

社員を雇用する場合、給与だけではなく社会保険料・福利厚生・教育費など・・・合わせると給与の倍以上になることも往々にしてあります。

派遣であれば、労働者との間に派遣会社を介しているため直接雇用の関係になく、期間限定・期間延長も可能で派遣社員1人分の金額を派遣会社に支払うことで、社員の派遣が可能となります。

求人に必要な宣伝広告費・給与計算などの事務処理経費が削減できます。

企業は派遣会社に対し、派遣社員の給与・福利厚生費・派遣会社のマージンなど 、全てが含まれた金額を支払うことで人材を買うわけです。

給与は企業が直接雇用している人に支払うもので、この場合人材を買っているため税金面からは「外注費」となり、節税の面で有利となるため企業には好まれるわけです。

給与とは、給料・賃金・棒給・賞与・退職金のことで消費税の課税仕入れの対象外で、会社負担の健康保険料・厚生年金保険料・労災保険料・雇用保険料も同じです。

しかし給与には「所得税の源泉徴収」は必ず必要という取り決めがあり、従業員に払うことで社会保険の対象となり会社負担は増えます。

その一方で外注費は、請負契約に基づく個人事業主・法人など 外注の対価報酬で、消費税の課税仕入れの対象となります。

外注費支払いに関しては、原則的に「所得税の源泉徴収」の義務はありませんが、一部必要な外注費もあります。

雇用関係はありませんから社会保険料の対象外となります。

給与と外注費ではどれくらい納税する消費税に差が出るか、簡単な計算例をしてみます。

ある企業で、売上1億円・経費8000万円のうち人件費4000万円の場合消費税は、

売上1億円-(経費8000万円-4000万円)✕ 8%=480万円 となります。

ここで人件費4000万円の中で1000万円を外注費として振り分け3000万円に抑えた場合、

売上1億円-(経費8000万円-3000万円)✕ 8%=400万円  となり80万円の節税となります。

派遣社員の契約・・・

派遣社員は、企業の業績に関連して必要な場合すぐに雇用が可能で、不要となれば基本3ヶ月契約のため契約解除が可能で、企業にとっては雇用の調節弁的な存在です。

「雇用の調節弁・・・」は言い過ぎかもしれませんが、企業においては正社員の場合は簡単にリストラすることはできませんが、派遣社員は契約打ち切りが可能で不況時のコストを考えた場合、「派遣の方が安い・・・」となります。

企業は「こんなスキルの人・・・」と指定するだけで派遣会社は人材を探します。

直接雇用の場合は自己申告となり嘘の可能性もありますが、派遣会社においては登録時に簡単なスキルチェックがあるためそれが参考になります。

派遣社員の契約はある程度の期間が定められていて、その期間が来ると契約の更新・解除がされます。

直接雇用ではないため雇用の調節が簡単にされ、長期的に安定して働くことが難しい面もありますが勤務先の空気感に馴れなかった場合などは、契約終了後に別の職場を選択する事も可能です。

「個々の都合・希望に合わせて仕事が選べる」「様々な職種・職場を経験できる」「時給が高い」「残業代が出る」など自分のレベルにあった働き方ができます。

「正社員」よりも「派遣社員」・・・

企業で働く正社員のメリットは勿論大きいですが、自分のやりたいこと・職種を指定することは難しい問題です。

「企業の調節弁・・・」的な表現をされますが、派遣社員であれば普通であれば働くことが難しい大会社から、珍しいことを行っている会社まで幅広く職種を経験でき、しかも個々で働く場所から就業時間まで選択可能で、様々なスキル・資格を取得するチャンスも他の働き方に比べ多くなります。

仕事内容や職場の空気感が合わず仕事での失敗・人間関係など悩みがあれば、派遣会社の自分の担当者に相談することで自分1人でミスを 抱かえこむ心配もなく、思い切って働くことができます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク