働き方改革関連法施行における時間外労働の上限規制と年次有給休暇の取得義務とは・・・

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2018/6/28 参議院本会議において「働き方改革関連法案」が、可決・成立しました。

正式名称は、「働き方改革を推進するための関連法律案」で、2019/4/1 施行されました。

この法案は

・労働基準法改正

・労働契約法改正・労働安全衛生法改正

・労働派遣法改正

・パートタイム労働法改正

などの法改正の「総称」で、労働者の健康を重視労働時間削減を推進、正社員と非正規社員における不合理な待遇格差の解消・改善を目指すものです。

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働き方改革関連法案のポイントは・・・

主なポイントは下記の7項目です。

①年次有給休暇取得の少ない従業員に対し、企業側から時期を指定して付与することが義務化

②正社員と非正規社員における不合理な待遇格差禁止のため、同一労働同一賃金のルールが整備

③月100時間を超える残業禁止など、残業時間規制が厳格化

④中小企業において月60時間を超える時間外労働割増率が50%に変更

⑤企業の労働時間把握義務化

⑥従業員の心身状態に関する情報の取扱規定の義務化

⑦高度プロフェッショナル制度の新設

時間外労働の上限規制・・・

これまでの労働基準法では、原則として労働時間は「1日8時間・1週40時間」と規定していますが、事前に「36協定」を締結し所定の機関に提出することで、規定以上の残業が可能となっています。

「36協定」・・・

時間外労働に関する労使協定のこと。

企業は法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超える時間外労働を命じる場合、労働基準法第36条において労働組合などに対し、書面による協定を締結し労働基準監督署に提出が義務付されています。

これに違反した場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

「36協定」は、それ自体が法律ではないため強制力はなく、そのため上限規制が曖昧で多くの企業で長時間労働が発生、結果的に残業時間が青天井の「ブラック企業」を生むことになり「過労死」も問題となりました。

それを是正するために時間外労働に上限が設けられ、大企業は2019/4 から、中小企業は 2020/4 から施行となります。

原則として時間外労働時間の上限は月45時間・年360時間と規定され、これを超えた場合は労働基準法違反として、事業主は懲役刑・罰金刑に処せられます。

しかし臨時的特別な事情がある場合は、例外として年間6回までは月45時間の上限を超えることが可能ですが、

①休日労働を含む単月100時間未満

②休日労働を含む複数月平均80時間以下

年720時間以下

の3点全てを満たす必要があります。

また月60時間を超える時間外労働については、50%以上の割増賃金が支払われます。

大企業では既に実施されている事項ですが、中小企業に於いては支払能力などを考慮し運用が猶予されてきましたが、2023/4 から適用されます。

また大企業・中小企業にかかわらず、高プロ対象者を除く全ての労働者に対し労働時間適正把握義務が課せられ、3年間記録保存する必要があります。

事業主は「労働時間を適切に管理する」ことが義務付けされるため、「〇〇さんが勝手に働いている・・・」というのは言い訳になりません。

今回の法改正によって「管理していなかった・・・」として責任が問われます。

引用︰厚生労働省

年次有給休暇・・・

引用︰厚生労働省

「有給休暇」とは、「事業者から賃金が支払われる有給の休暇日」のことで、正式には「年次有給休暇」と呼ばれるものです。

勤務実績に応じて毎年一定の日数が付与され、有休、年休とも呼ばれます。

勤務開始から6ヶ月(0.5年)経過すると10日分の有給取得権利(年休権)が発生し、その後1年経過するごとに11日・12日・14日・16日・18日となり20日が限度となります。

この権利の有効期間は2年間なので、最大1年間40日の有給が付与されます。

これは労働基準法で明記されている全国共通の制度で、パートタイマーも対象です。

「うちの会社には有休は無い・・・」ということは絶対に有り得ません。

原則として「いつ・何日取得する・・・」は労働者の自由(時期指定権)ですが、残念ながら日本においては文化・風習など「周囲の目が気になって・・・」「職場への配慮・ためらい・・・」といった時期指定を行いにくい環境があり、厚労省調べでも有休取得率は50%を下回っているのが現状で、正社員の約16%が1日も取得していません。

引用︰厚生労働省

「時期指定権」・・・

個々の労働者ごとに、年次有給休暇を付与した基準日から1年以内に5日間、使用者が取得時期を指定して与える必要があるため、事前に労働者の時期休暇の希望を聴取し、それを踏まえて時期指定を行うものです。

年次有給休暇の時季指定を行わない労働者向けの処置で、労働者自ら時期指定をして5日以上取得済みの場合は、使用者による指定は不要であり指定をすることは出来ません。

「年次有給休暇取得率が低い・・・」というのは見方によっては「日本人の勤勉さを証明している・・・」とも言えますが、それが「長時間労働」「過重労働」、そして「過労死」を招いてることも事実です。

今回の法改正によって、事業者はその事業規模に関わらず、年次有給休暇が10日以上付与されるパート・アルバイトを含む労働者に対して、5日以上の有給休暇を取得させなければなりません。

このため年次有給休暇取得を促進させるために、使用者に「指定義務」が導入されることになりました。

有給休暇を取得させない場合は、労働基準法違反となり懲役刑・罰金刑が課せられます。

有給休暇取得は、「労働者の希望する日時に取得させる・・・」が基本ですが、「労働者が有給休暇取得を申し出ないまま1年経過・・・」した場合、これも法律違反となります。

対象事業場・・・大企業/中小企業/街のコンビニなど規模・職種を問わず全ての事業場

対象者・・・年次有給休暇が年10日以上付与される全ての労働者

年次有給休暇は法律上発生する労働者の権利ですが、何もしないでいるのは「宝の持ち腐れ」です。

有給休暇を取得行使することで「企業側は、労働者の心身の疲労回復・労働力の維持培養を図る」ことができ、「労働者側は、生活にゆとりが生まれる」などのメリットがあります。

年次有給休暇の使用目的は労働者の自由であり、事業者が「何故休むのか?・・・」と問いただしたり、「内容次第で休暇を与えない・・・」などは法律違反です。

年次有給休暇の権利・・・

①雇用開始日から起算して6ヶ月継続勤務していること

②全所定労働日の80%以上出勤していること

この2点を満たしている場合、パート・アルバイトといった非正規従業員においても、年次有給休暇は付与されます。

要件を満たした労働者に対して最初の6ヶ月経過日に、「10労働日の年次有給休暇」を付与され、その後継続年数1年毎に下表の日数が付与されます。

勤続年数の増加に伴い有休日数も加算されていきます。 

パート・アルバイトの場合は、労働時間・週の出勤日によって付与日数が異なります。

これは「比例付与」と呼ばれます。

週所定労働日数が4日・継続勤務年数3年6ヶ月の労働者の場合、最初の6ヶ月で7日付与、3年6ヶ月で10日付与されます。 

週所定労働時間が30時間未満の場合・・・

・週所定労働時間日数4日・・・継続勤務3年6ヶ月以上は全員対象

・週所定労働時間日数3日・・・継続勤務5年6ヶ月以上は全員対象

・週所定労働時間日数2日・・・最大付与年7日のため対象外

表の太線枠で囲まれているところが取得対象です。

コンビニで週4日・3年6ヶ月継続勤務のアルバイトの方も対象となります。

引用︰厚生労働省

まとめ・・・

働き方改革関連法は、大企業に於いては 2019/4 施行、中小企業に於いては 2020/4 施行と1年間の猶予が設けられています。

「36協定」が締結されていても、時間外労働は「青天井」状態で、労働者は「長時間労働」「過重労働」を強いられ「過労死」を招く温床となっていました。

今回の法改正により時間外労働は、今まで以上に制限され懲罰も厳しくなり、休暇に関しては有給休暇の取得も義務付けされました。

法令違反があった場合、社員1人あたり最大30万円の罰金が科せられます。

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